近年、ハラスメントに対する関心も高まり、企業にとってハラスメント対策を講じることが不可欠となっています。
厚生労働省の 「職場のハラスメントに関する実態調査調査」によると、回答企業のうち過去3年間にパワハラの相談があったと答えた企業は64.2%、セクハラの相談があったと答えた企業は39.5%となっており、企業にとってハラスメントは解決すべき問題の一つです。本記事では、このようなハラスメントへの対策に効果的であるハラスメント研修の概要、実施のメリット、そして企業が効果的なプログラムを選定する際のポイントを詳しく解説します。
1. ハラスメントとは?
ハラスメントには、パワーハラスメント(上司による過剰な指導や圧力)、セクシャルハラスメント(性的な嫌がらせや不適切な言動)、モラルハラスメント(精神的な攻撃やいじめ)など、さまざまな形態があります。
また、企業内の相談数が多いパワーハラスメントについて、厚生労働省は以下1から3までの要素のいずれも満たすものを職場のパワーハラスメントの概念として整理しています。
1.優越的な関係に基づいて(優位性を背景に)行われること
2.業務の適正な範囲を超えて行われること
3.身体的若しくは精神的な苦痛を与えること、又は就業環境を害すること
2. ハラスメント研修の必要性
ハラスメントは、従業員の心理的なストレスや職場環境の悪化を引き起こし、結果的に企業の生産性やイメージに悪影響を与えたり、場合によっては損害賠償などの金銭的な損害を与える可能性もあります。
そのようなビジネスリスクを防ぎ、企業が健全な職場環境を維持・法令を遵守するためにも、従業員にハラスメントに対する正しい理解を促すハラスメント研修を行うことが大切です。
3. ハラスメント対策の取り組みによるメリット
ハラスメント対策を長期的に行うことで以下のようなメリットが期待できます。
3-1.コミュニケーションの活性・円滑化
ハラスメント対策を実施することで、心理的安全性が確保されるため、自由な意見を述べる、質問するなど、積極的な意見交換への心理的なハードルが低くなります。その結果、職場内のコミュニケーションの活性化や円滑化に繋がります。
3-2.離職率の低下や社員定着率の向上
ハラスメントがない環境では、安心感や満足度が高くなるため、従業員にとっては長く働きやすい職場となります。
4.ハラスメント研修を導入する際の検討ポイント
ここではハラスメント研修を導入する際の検討ポイントを記載します。
4–1.オンライン研修かオフライン研修か
ハラスメント研修には、対面形式で行うオフライン研修と、リモートで受講できるオンライン研修があります。オンライン研修は、多拠点に広がる企業や在宅勤務の従業員にも柔軟に対応できるメリットがあります。一方、オフライン研修は、よりインタラクティブなディスカッションやロールプレイを通じて、深い理解を促進することができます。受講目的や参加従業員の状況によって、オンライン・オフラインどちらの形式で行うかを検討しましょう。
4-2.講師の専門性
効果的な研修には、講師の専門性が重要です。ハラスメントに関する法律や実例などの知識を持つ専門家による研修は、ポイントを抑えた実務に活きる研修になります。またハラスメントもパワハラやセクハラ、カスタマーハラスメントなど種類がありますので、研修を担当する講師がどのハラスメントに対する知識を持っているのかをチェックすることも大切です。
4-3.研修プログラム内容
研修プログラム内容がパッケージなのかカスタマイズが可能なのかも重要なポイントです。研修を導入する目的を考え、研修プログラムの内容を選定しましょう。
5.まとめ
ハラスメント研修は、企業が従業員に安全で安心な労働環境を提供するための重要な手段です。ハラスメント研修を実施し、ハラスメント問題を未然に防ぐことで、企業のブランド価値を守り、長期的な成長を促進します。自社に合った研修プログラムを選定し、継続的な教育を行うことで、従業員の意識を高め、より良い職場環境を築きましょう。
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